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600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネスの書評を書きました

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600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネスの書評を書きました

何かとクックパッドのUIが取り上げられたりするので、興味が湧きこちらの本を購入して読んでみました。
自分でもクックパッドをよく利用し、ユーザーとしても好きなサービスなので書評を書いてみます。

本書の内容

序章含め6章で構成されています。
新書サイズで182ページ。専門的な言葉等は出てこないので読みやすいと思います。

  • 序章 女性なら知っている。料理サイト「クックパッド」
  • 第1章 就職を選ばなかった男が、辿りついた目標
  • 第2章 クックパッドは、なぜ「女心」をつかんだのか
  • 第3章 細やかなサービスを実現するのは、テクノロジー
  • 第4章 広告を見た人から「ありがとう」といわれるのサイト
  • 第5章 600万人を呼び込む「経営」と「マネジメント」

序章 女性なら知っている。料理サイト「クックパッド」

この章ではクックパッドというサービスの概要について書かれています。
クックパッドとはどういったサービスなのか、何ができるのか、社長である佐野さんのクックパッドに対する思いなどが書かれています。

全章を通して書かれていますが「毎日の料理が楽しみになる」。これをいかに重視しているかが伺えます。
このことについて詳しくは本章で書かれています。

第1章 就職を選ばなかった男が、辿りついた目標

佐野社長が就職を選ばず企業に至った経緯や、考えなどが書かれている章です。
ある人物との出会いから「たくさんの笑顔を増やしたい」と考えるようになり、
その手段として何を使うか考えたとき浮かんだのが、当時研究生の仲間と売っていた野菜だったそうです。
野菜から料理へ結びつき、自分が得意だったインターネットを組み合わせたサービスを考えました。
食べたらなくなってしまう料理を写真に撮りアルバムに、そして、それを「おいしい」と言ってフィードバックを貰える仕組みをつくり事業にしました。

クックパッドは宣伝広告を打ったことがなく、口コミで多くのユーザーを集めたそうです。
ユーザーの多くが女性ということも口コミを加速させる要因になったようです。
中でも印象的だったのが、資金不足でサーバーを強化することができない時期があり、この時期はサーバーをパンクさせないためにいかにユーザーを増やさないかを考えていたそうです。「ユーザーを増やすことよりも、今いるユーザーを大事に」と言っていたのがとても好印象でした。

第2章 クックパッドは、なぜ「女心」をつかんだのか

ユーザーのことを考えても考えても考え足りない。
クックパッドでは、ユーザーへのインタビュー、ユーザーテスト、ログ解析、クレームや意見の分析…。徹底的にユーザーを意識したサービスづくりを行なっていることが伺える章です。

そして、ここではレシピを投稿してもらえる工夫についても書かれています。
普段レシピを見る機会は多いですが、投稿時のインターフェイスはなかなか覗く機会が少ないと思います。
「材料の書き忘れ」「材料の欄に間違って手順を書いてしまう」など、ここでもユーザーの解析からあらゆるパターンを想定し、インターフェイスを作っていることが分かります。
一つ例をあげると「材料の欄に間違って手順を書いてしまう場合があるので、材料の文字数を制限してこれを防いだ」というのがありました。
ほんのちょっとの工夫ですが、間違えを防ぎユーザービリティを上げることができます。

その他、検索時の仕組みや、可読性を考えたタイトル文字数など細々した工夫が書かれていて、この章はデザイナーの人が読んで楽しい章だと思いました。

第3章 細やかなサービスを実現するのは、テクノロジー

クックパッドは、夕方の食事の準備の時間帯がもっともアクセスがあるそうです。
買い物の準備、お子様の迎えなど忙しい最中で晩御飯の献立を考えてサイトを見る人を少しでも待たせるわけにはいきません。
クックパッドではサイトのレスポンスに徹底的にこだわっている様子が書かれています。

この章の中でも「ユーザー期待を上回るで動線を用意できた理由」という箇所がとても読んでて面白かったです。
ユーザーを先回りして欲しい情報を与えることの重要さ、ユーザーのログ解析のためのツール開発について書かれています。

クックパッドのサイトはRubyで開発されています。
佐野社長はプログラムから学べるロジックの組み立て方は色々なことに応用できると考えるため、クックパッドではスタッフ全員にプログラムの勉強を推奨しているそうです。(2009年発売の本なので今は分かりませんが…)

第4章 広告を見た人から「ありがとう」といわれるのサイト

本を通して一番おもしろかったのがこの章です。
クックパッドは当初、有料会員限定のサービスでしたが、無料で運営していくことを決めマネタイズがうまくいってなかったようです。
当時はシステムの受託開発をしながら会社を運営していました。
その時点で100万人ものユーザーを抱えていましたが、安易に広告を掲載することも避けていました。
模索しながら辿りついたのが、ユーザー、広告主ともに得をする「レシピコンテスト」というコンテンツです。
レシピ投稿ユーザーにとってはお題を与えられ注目される。かつ入賞すれば商品が出るという機会です。広告主はもちろん、多くのユーザーの目に止まるうってつけの広告となります。

クックパッド最初の広告は「しめじ」だったそうです。
その後、圧力鍋は使ってレシピコンテスト、クックパーを使ったレシピコンテスト、ビールに合うおかず、コカ・コーラに合う料理など様々なコンテンツで、ユーザー、広告主両方が得をする広告を掲載してきました。
わりと最近だと、ミツカンの酢の瓶にクックパッドのレシピがくっついているのを見たことある人も多いと思います。
店舗、クックパッドサイト両方のタッチポイントを連動させたプロモーションで、このときの「話題のお酢レシピ」というバナー広告は300万人近くの人にクリックされたそうです。通常のクリック数の13倍にものぼるらしい。

広告が広告ではなく、広告がコンテンツとなる。実際にクックパッドを見ていても、これらに押し付けがましさは無く、純粋に一つのコンテンツと楽しめます。
広告のこと等は全く知らない分野でしたが、なるほどなるほどとなる面白い章でした。

第5章 600万人を呼び込む「経営」と「マネジメント」

最後の章はオフィスへのこだわりや、会社の仕組みについて書かれています。
会社の内装づくりにも、訪問者を意識した動線作りがされていてさすがだなと思いましたw
内装を作るときも「アーティストではなくデザイナーに仕事を頼む」ために、見積もり・コンペを行ったそうです。
ここはどの仕事に関しても通じる部分があるんだなと感じました。

まとめ

本を読むことでクックパッドの概要はもちろん、最近よくとりあげられているクックパッドのUIや、それがもたらす体験をどのように作っているかを知ることができました。
ウェブに携わる人は読んで面白い本だと思います。ウェブサービスがどのようなことを考えて作られているか知りたい方は是非参考にしてみてください。

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)

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